恵まれた自然環境のなかで、小中一貫教育を行っている「学びの森 吉和学園」。日ごろから授業や学校行事などで児童生徒を支え、子どもたちをよく知る吉和地域の人々。吉和学園は地域の力を借りながら、魅力ある、特色ある学校教育に取り組んでいます。マスク不足が続くなか、地域の方たちが製作したマスクが子どもたちに贈られました。
5月、吉和小・中学校地域支援本部の2名の方が、小・中学校の児童生徒45名のマスクを作りました。
地域支援本部は、普段から家庭科や生活科の授業に入り、ミシンの使い方を教えたり校外学習に引率したりと、子どもたちにとって身近な存在です。全員の顔と名前を覚え、学校とともに子どもたちの学習を支えています。
「『つけ心地がいい。』と子どもたちに大変好評でした。さっそく分散登校のときに、身に着けて登校してくる子もいましたよ。」
と話す津田孝子(つだたかこ)教頭先生。
子どもたちを我が子のように見守る地域の方々。マスクひとつひとつにその思いが込められています。
「人口減少のなかにある吉和を守るためには、魅力ある特色ある学校でなければいけません。今年度、SDGs(エスディジーズ)の考え方を取り入れ、学校経営をすすめていきたいと考えています。」
と森岡勝司(もりおかかつじ)校長先生は言います。
70年前の吉和の里山の姿を知る地域の方に、当時の様子をスケッチしてもらった子どもたち。吉和の豊かな森が循環型の社会を作っていたと知ります。
昨年度は地元企業の協力を得て、豊かな森を取り戻し持続可能な地域をつくるため、うっそうとした光の入らない森に入り、間伐作業を行いました。今年度はその森で植林活動を行う予定でしたが、コロナの影響で体験学習ができないままとなっています。
吉和学園の中学生は、地元特産のルバーブソース(ジャム)を修学旅行先で販売したり、吉和の観光地を紹介する冊子を作るなど、吉和のPR活動を行っています。
韓国からの移住者も在籍しており、今後は韓国の公立中学との姉妹交流も視野に入れています。ホームステイや文化体験などを通じて、グローバルな視点を持った人材が吉和から生まれることが期待されています。
また、吉和に人が定住するような、雇用につながる学習もやりたいと校長先生のアイデアは広がります。
地域の方々の力があってこそ、様々なアイデアに挑戦できます。手作りマスクを通して感じる、地域の方たちの子どもたちへの思いが、吉和っ子の学びを大きく後押ししています。
住所:廿日市市吉和1555-1
電話:0829-77-2010
ホームページ
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