コロナ禍で生活困窮者が増えている今、まだ食べられるのに捨てられていた食品を食べ物に困っている施設や人に届ける『フードバンク』の需要が高まっています。
廿日市市社会福祉協議会はつかいち生活支援センターが担う『フードバンク事業』では需要の高まりと共に支援の輪が広がっています。
はつかいち生活支援センター主任の宮本貴昭(みやもとたかあき)さんは、生活支援センターに来る相談者をすぐにでも支えたいという想いから廿日市市で『フードバンク事業』をスタートさせました。
「生活支援センターは専門の相談員が一人一人のお話を聞き、生活上の問題や悩みを乗り越えるためにはどのような支援が必要かを一緒に考え、就労や制度の利用などによって自立した生活が送れるように応援する機関です。
最も多い相談は貸付についてですが、そこでお金をお渡しする事はできません。そこでフードバンク事業であれば生活困窮者をすぐに支える事ができると考え、廿日市市でも始めようと思いました。」
この事業は平成28年からスタートし、今では地元企業からも支援が得られるようになりました。
はつかいち生活支援センター生活支援グループの野村大輔(のむらだいすけ)さんは、コロナ禍において広報の必要性にも気付きました。
「コロナで相談件数が例年の9倍に近づき、フードバンクの需要も高まりました。今までこの事業については相談者の方のみに情報提供していましたが、もっと広く知ってもらう必要性を感じ、廿日市市社会福祉協議会の広報誌『あいとぴあ』に食料品募集の記事を掲載しました。」
『あいとぴあ』を発行後、今まで廿日市市にもフードバンクがあると知らなかった人々から、誰かのお役に立てるならと、多くのレトルト食品や防災用の備蓄食品、飲料水などが寄付されました。
「はつかいち生活支援センターの役割は伴走支援です。しかし、私達だけでは相談者さんを支えきれない事もあり、周りの方の日頃の支えが必要です。コロナ禍の今、そういった支え合いの精神が薄れているのではないかと心配していました。
しかし、フードバンクの食料品募集を行ってみて、何かしら応援できればという市民の皆さんの気持ちを知ることができ安心しました。」
人と接する直接的な支援が難しいコロナ禍でも、自分一人から始めることができる誰かに届く応援をしたい。
廿日市市のフードバンク事業はそんな皆様の応援で今後も安定して継続いきます。
持ち込み先:廿日市市下平良1-11-1 廿日市市役所1階(16番窓口)
問い合せ:0829-20-4080
メール:seikatsu@hatsupy.jp