需要が減少している花の消費拡大を図るため、家庭や職場に花を飾って楽しもうという趣旨ではじまった農林水産省の「花いっぱいプロジェクト」。広島でも、それに賛同し連動した取り組みが各所で行われています。廿日市市では地元の花屋さんの協力のもと、市役所本庁や各支所、宮島桟橋、FMはつかいちなどに色とりどりの花が飾られ、道行く人の目を楽しませてくれました。
生活の様々なシーンに取り入れられ、喜ばれている花々も、最盛期の春先から大きな影響を受けました。
各種イベントの中止、春の門出のお祝いごとや葬儀の縮小、お店の休業などで需要が一気に減り、花が売れないという事態になったのです。
「市場での花の値段の付き方を見ていると、生産者さんが本当に大変だと思いました。」
と仕入れをする花屋さんは話します。
生産者が愛情をかけ、手塩にかけて育てた花。冬を越した花は、暖房などの光熱費もかかっています。
次の花を咲かすためには、今咲いているものを切らないといけません。生産者は苦渋の思いのなか、切っても売れない花を自己廃棄しなければなりませんでした。
「せっかく苦労して生産者さんが育てた花が捨てられるのは、本当に悲しいことです。捨てられるはずだった花が少しでもみなさんの目に留まって、喜んでいただけたらと思います。」と話す廿日市市内の花屋さん。
このプロジェクトの趣旨に賛同し、市場で仕入れてきた花をアレンジして、FMはつかいちや市役所本庁に飾り付けました。
「飾っていると、みなさんが『わーきれい~。』って、笑顔になるんです。そういうときにやっぱり花って喜ばれるんだなって、花の力を感じます。」
花き業界では、「#ビタミンF」を合言葉に、花や植物の驚きの効果、心と体を癒す力を広く知ってもらい、花や植物のある暮らしを盛り上げていこうとしています。
赤とピンクのバラの花に囲まれたFMはつかいちのスタジオ。
「テンションがあがって、ルンルン気分でマイクに向かえます。ゲストもパーソナリティーもスタッフも、スタジオ前を通りかかったお客様も、みんなが笑顔になると思います。」
と話すパーソナリティの藤井尚子さん。
市役所本庁で窓口を担当している人は
「お花のいい香りがして、朝から癒されました。」
と言います。
「コロナのことがなければ、どこかに出荷される予定だった立派な花たちなんだろうなと思いながら見ました。たくさんの市民の方が足をとめて見ていらっしゃったので、よかったなと思います。」
ステイホームを機に、花を飾る家庭が増えたと言われています。不安な気持ちになりがちな今こそ、花が大きな力となってくれることでしょう。