2019年4月、廿日市市阿品台にオープンした「地元のごちそう 自然のめぐみキッチン」は、子育て中のママたちが、地元で採れた魚や自家製無農薬の野菜を使って作る、旬を活かした料理が自慢のお店です。
シニア世代、子育て世代の誰もが参加できる「みんなの食堂」やワークショップを開催したり、地域の方によるハンドメイド雑貨を販売したりと、地域の交流の場を目指し、丸1年を迎えました。
4月の早い段階で、店内での飲食を当面休みにすることに決めた自然のめぐみキッチン。
オーナーの小林めぐみさんは、定期的に利用してくださる高齢のおばあちゃんもいるため、完全休業すると困る人が出てくると考え、これまであまり大がかりにやっていなかったテイクアウトでの総菜の販売に切り替えました。
家にごはんはあるからおかずだけが欲しいという方に向けた、野菜たっぷりの「おかずだけ弁当」や、子どもが大好きな「からあげ・がんす弁当」をはじめ、どのお弁当もパックに盛りだくさん。おかずだけでお腹がいっぱいになる量です。
野菜や魚は、その日手に入った旬のものを使っており、それにあわせて総菜の内容を考えます。からあげ・がんす弁当以外は日替わりのため、毎日違うメニューが楽しめます。
「おかずだけ弁当」
「からあげ・がんす弁当」
テイクアウトに切り替えてから、これまでお店に来たことがなかった近所の方たちが大勢来店してくれるようになりました。
「今夜の晩ごはんのメインはあるんだけど、副菜が欲しいのよねとか、サラダが足りないから来たのとか、たくさん買うわけではないけれど、今夜のおかずのひとつにといった感じで気軽に寄ってくださるようになりました。」と小林さん。
近所の方が何を望んでいるのかを知ることができ、店内飲食を休止したのも悪いことばかりではなかったと感じています。
お客様の声に応えていくうちに、最初はカウンターの上だけに収まっていたお弁当がどんどん増え、奥から冷蔵庫を引っ張り出してきて、それも利用しながらお弁当を作っています。
小林さんは、小さな5人のママさん。子育て真っ最中です。
他のスタッフもみんな、同じ年頃の子どもを持つママという自然のめぐみキッチン。
子どもと手をつないで出勤し、お母さんはランチの準備のため厨房へ。子どもたちは2階で遊んだり、グリーンピースの皮をむいたり、お腹がすいたらごはんを食べたりと、ママたちが働くすぐそばで過ごします。
オープン当初まだ1歳にもなっていなかった一番下の子をおんぶして、厨房で料理を作っていたという小林さん。働きながら子育てをするママのことがよく分かるから、新しく入ったスタッフにも「子どもを連れてきていいんだよ。」と伝えています。
小さな子ども連れのお母さんでも気兼ねせずランチを楽しめるよう、店内にはベビーベッドやキッズスペースも。
ばたばたと働いているスタッフを見てなにか協力してあげたいと、子どもたちを孫のように可愛がってくれるおばあちゃん世代のお客様の来店もあります。
オープンから1年たち、幅広い世代の交流の場にしたいという小林さんの思いが少しずつ実を結んでいます。
6月2日からレイアウトを変更し、店内での飲食を再開。お弁当を楽しみにしてくれるお客様が増えたため、引き続きテイクアウトでも自然のめぐみキッチンの味が楽しめることになりました。
小林さんが作る料理は、その時期に採れる旬の素材を中心にしたものです。シーズンになると同じ素材を使ったものが多くなりますが、それこそが旬を存分に味わうということ。調理の仕方を変えていろいろなメニューが登場します。
トマトや水菜のように年中スーパーで見る野菜にも、本来一番おいしい旬があるんだよということを、特に子どもたちに伝えたいと小林さんは言います。
みんなで集まって食事を楽しむ交流イベント「みんなの食堂in自然のめぐみキッチン」。地域の方、廿日市市内の企業さんから、食材や食料品を提供してもらい開催しています。こちらも6月より店内での飲食なしで、持ち帰りと言う形で再開されます。
大切なことはそのままに、新しい形を取り入れ、パワーアップしていく自然のめぐみキッチン。ママたちのしなやかな強さが新しい時代の波を自然に乗りこなすのかもしれません。
住所:廿日市市阿品台3-8-30
電話:0829-20-5819
ホームページ
https://restaurant-67641.business.site/
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