世界遺産・宮島に一番近い温泉郷として広島はもちろん全国にファンのいる宮浜グランドホテル。

苦境の中でも新たなチャレンジを次々と繰り出し、更に愛される宿に成長を続けています。

 

苦境の中で生まれた時間

 

新型コロナウイルス感染拡大により多大な影響を受けている観光業ですが、その中でも、宿泊業は先の見えない不安があると言われています。

「苦境の今、逆に良い時間ができました。この折角の時間を活かさないと勿体無いと思い、妄想を始めたんです。」と話す取締役社長の檜谷直史（ひたになおふみ）さんが、始めに取った行動は今まで行っていた事をより多くのお客様にご利用していただく為のものでした。

 

 

お得な「ランチ&ディナープラン」、テイクアウトから生まれた新たな繋がり

 

まず、平時からある月替わり会席プランとは別に、お得な「ランチ&ディナープラン」として、リーズナブルな「宮浜御膳」「ミニ会席」を始めました。

「今までやっていた事を少し変えるだけなので、料理人にも理解してもらいやすいようにしました。

このプランで、小さなお子さんがいるファミリー層や２０～３０代の若い層など、新たなお客様にも宮浜グランドホテルを知ってもらえる大きなきっかけとなりました。」

 

 

５月からはテイクアウトも始め、給食の中止などで注文が減少して困っていた地元の「大野あさり」とのコラボが生まれるなど、今までの繋がりが活きた場面もありました。

今後も加工品の開発など、他県にも瀬戸内らしさを届けることができる企画も妄想中だそうです。

 

 

どんな時も逆転の発想を。温泉旅館の大浴場&露天風呂貸切プラン

 

大浴場や露天風呂など多くの人に一度に利用していただくことが醍醐味の温泉はコロナ禍での利用が困難になりました。

そんな中、檜谷さんは貸切であれば利用してもらえるのではないかと考え、大浴場や露天風呂を貸切できるサービスを始めました。

 

 

利益度外視で始めたものの、今では週末は予約を取ることが難しいほど多くの人が利用する人気のプランとなっています。

リピーターの方も多く、利用後にご家族やお友達に紹介するなど、口コミで広がるケースもあったといいます。

そして、何よりもコロナ禍で疲れを感じていたお客様が喜んでくださる様子を見て、「やってよかった。」と強く感じたそうです。

 

一歩踏み出す

 

YouTubeやNoteなどSNSも活用するようになった檜谷さんは、今までは抵抗があった「若旦那」という呼称も使ってみるなど、より多くの人に届く発信の仕方も模索しています。

そんな檜谷さんの姿勢を見て、社員のみなさんも前向きな姿勢や視点に変わってきたといいます。

 

 

「今まで一歩踏み出せていなかった事に、今は踏み出せるようになりました。無理はせず、どこかの真似でも良いと思います。

繋がりを掛け合わせ、今ある環境を活かし、何かできる事がきっとあるはずと、私自身も社員も焚き付け続けていきたいです。」

 

宮浜グランドホテルはこれからも成長し続けます。