3月以降、さまざまな主催公演を中止、延期せざるを得なくなった廿日市の文化の発信地、ウッドワンさくらぴあ。直接公演を見ることが叶わない中、さくらぴあにゆかりのある奏者・アーティストとともに、YouTubeによる動画配信で「音楽の力」を届けるプロジェクトを実現しました。
さくらぴあを運営している公益財団法人廿日市市芸術文化振興事業団理事長の濵本 恵康(はまもとよしやす)さん。「さくらぴあ音楽の力配信プロジェクト ~ふるさとの唱歌~」を実行するにあたり、あふれる思いがありました。
「公演の中止や延期を受けて、さくらぴあファンのみなさまに少しでも音楽を届けたい、『さくらぴあもアーティストのみなさんも元気です。』と伝えたい、そんな気持ちで動画配信プロジェクトを始めました。」と言います。
アーティストに出演の依頼をしたのは動画撮影のわずか1週間前。それにも関わらず快諾し、出演することを喜んでくださいました。
さくらぴあスタッフが生き生きとプロジェクトに関わる姿を見られたことも、濵本さんにとって大変うれしいことでした。
プロジェクトでは、アーティストが担当の日本の唱歌を歌い、6月1日から12日間、毎日1組1曲、YouTubeさくらぴあチャンネルでアップされました。現在も見ることができます。
「早春賦」にはじまり、「春が來た」「朧月夜」「海」「仰げば尊し」など、子どもの頃から馴染みのある唱歌が、オカリナやギターを手に、それぞれのアーティストらしい形で歌われました。
最後の曲である「故郷」は、個々が歌う姿を合わせた形で編集され、その美しいハーモニーに心動かされます。
このプロジェクトは、長年開催されているはつかいち平和コンサートが土台となっています。
10年前から「唱歌こそ平和の音楽である。」と唱歌が歌われるようになった平和コンサート。その音楽監督である松本憲治(まつもとけんじ)さんが、今回のプロジェクトにも参加しました。
「100年以上もの歴史をもつ日本の唱歌は、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで誰もが歌えます。こういう歌を持っている国はあまりないんですよ。ポップス歌手もクラシック歌手もいろいろな人が歌えるのが、歌の基本である唱歌なんです。」
と松本さんは唱歌への思いに触れました。
「公演が簡単にできない状況になって、いかに音楽が大切かということを思い知らされます。音楽は生きる上で大切なもののひとつです。」と松本さん。
癒され、励まされ、ときに勇気をくれる音楽。日々の生活の中で音楽の力に助けられた経験のある人は少なくないでしょう。
以前のように心置きなく、多くの方に公演を楽しんでもらえる日を、さくらぴあでも心待ちにしています。
住所:廿日市市下平良1-11-1
電話:0829-20-0111
ホームページ:https://www.hatsukaichi-csa.net/sakurapia/
YouTubeさくらぴあチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCz2YPLwDGvecNlSZFUK52AA