花のある暮らしでステイホームに彩りを 胡蝶蘭をより身近な花に|田原農園 | 今こそ廿日市 【廿日市市新型コロナ対策特設サイト】

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2020/06/04

花のある暮らしでステイホームに彩りを 胡蝶蘭をより身近な花に|田原農園

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緑豊かで水のきれいな廿日市市永原で胡蝶蘭を育てる、有限会社田原農園。
高品質で鮮度の高い胡蝶蘭は、お祝いやお供え、プレゼントに喜ばれています。
2017年からは、観光農園としていちご狩りをはじめ、採りたての完熟いちごを楽しめる場所としても親しまれています。

 

行き場のなくなった胡蝶蘭 特別価格で販売

 

花業界にも押し寄せたコロナの波。
生産者にとっての一番の売り先である花屋さんが厳しい状況になり、田原農園でも大切に育てた花が行き場を失うことになってしまいました。

 

ここまで手をかけ、美しく咲いた花たちをそのまま捨ててしまうのはしのびない、ということで代表取締役の今田徳之(いまだのりゆき)さんは、胡蝶蘭を特別価格で販売することにしました。

 

 

メディアの取材を受けたり、SNSで発信したことで「協力したい」「購入したい」と多くの反響がありました。「こんなところで胡蝶蘭を売ってたんですね。」と新たに知ってもらう機会にもなったといいます。

 

全国にある何件かの胡蝶蘭生産者の仲間と協力し、東京へ送らないといけないものは向こうの生産者に依頼したり、逆に頼まれてこちらから発送したりと、ひとつでもたくさんの花が売れるよう努力してきました。

 

毎年5月末まで行っているいちご狩り。ハウスに入る組数や人数を制限しながら営業を行ったり、休業要請を受け休園期間を設けたり、育ったものの来園者の減少で余ったいちごをパック詰めで販売したりと、例年にない対応に奔走しました。

 

敷居の高い胡蝶蘭のイメージを変えるきっかけに

 

 

今回のことで、多くの方に胡蝶蘭を知ってもらえるチャンスができたと今田さんは考えています。

 

「胡蝶蘭って、高い、育てるのが難しそう、次の年に咲かせられないでしょって言われる方が多いんです。敷居の高い花というイメージですよね。でも僕らは特別難しいことをしているわけじゃない。みなさんやり方を知らないだけなんです。」と言います。

 

胡蝶蘭は温かい環境を好むため、30℃の中で苗が育てられます。そこから3~4℃温度が下がる場所に移してやると、花は危機を感じて子孫を残そうと花を咲かせるのです。一般家庭であれば、夏場は温かい部屋に置き、秋口にちょっと涼しい部屋に移動させ、半月から1か月ほどその環境に置いてやると反応してくれます。

 

 

胡蝶蘭をだめにしてしまうのは水のやりすぎと寒さが主な原因であるため、1週間に1回、コップ1杯の水やりに留め、人間が心地よいと思う温度の中で育てます。

 

また今田さんは購入してくださった方に、胡蝶蘭の手入れの仕方はもちろん、いろいろな楽しみ方を伝えています。

 

花が全部枯れるのを待つのではなく、半分くらいになったら思い切って残りの花を摘みます。透明のおしゃれな容器に水を張って浮かべたり、お風呂に入れて胡蝶蘭風呂を楽しんだりと、安く購入できることを活かして、心も体もリフレッシュできる方法を提案しています。

 

花はこころのビタミン 当たり前に花のある生活を

 

家で過ごさないといけない時間が増えた今こそ家の中に花が必要、花が自粛生活の心のストレスを和らげてくれると、多くの方が花によって癒されることを願い、今田さんは発信してきました。

 

ここ数年は、同じ廿日市市内の橋本園芸さんと地域の保育園へ出向き、卒園を控えた子どもたちに花のアレンジを教えています。花を置く家庭が減ってきていることを憂い、当たり前に花がある暮らしを広げていきたいと考えたからです。

 

今田さんが知り合いの生産者の方にお願いし花を分けてもらい、橋本さんが講師として花のことや基本的な挿し方を説明します。
子どもたちの感性はすばらしく、大人顔負けな発想力で自由に挿していくそうです。

 

「園児が作ったアレンジメント」

 

完成した花は卒園式で飾られ、その後園児が「ありがとう」の言葉とともにお母さんにプレゼントします。

 

「成長して卒園を迎えた子どもから花をもらって、お母さんはうれしくて泣いちゃうんですね。それを見て『花ってこんなに喜んでもらえるものなんだ。』と感じてくれる子が絶対にいると思うんです。その子が将来、何か大切な時には花をって思ってくれるかもしれないし、家の中に花を置いてくれるかもしれないですよね。」

 

協力してくれる仲間を増やし、この活動をもっと多くの子どもたちに広げていくことが今後の目標。
今田さんの思いに賛同し協力してくれる企業もあり、長くこの活動を続けていきたいと前向きに取り組んでいます。

 

そして気軽に花のある生活を楽しめるような企画や商品を展開していくため、花の生産者として新たな道を追求していきたいと考えています。

 

田原農園

住所:廿日市市永原485
電話:0829-74-0731
ホームページ
https://tabarafarm.com/
フェイスブック
https://www.facebook.com/tabarakankounouen/

 

 

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