(※写真撮影のため一時的に集合しています。)
様々な活動自粛が余儀なくされる中、廿日市市四季が丘の老人クラブ、寿会(ことぶきかい)でも例年開催している行事を取りやめたりと、会員同士が顔を合わせ集う機会が減少しました。
これまでバスに乗って県外まで1泊旅行へ出かけていた寿会。このたび廿日市市民限定宿泊キャンペーンとはつかいち再発見ツアーを利用し、感染症対策に留意した新しい旅行の形を取り入れ、久しぶりに親睦を深めました。
1泊旅行を地元宮島でと話が持ち上がったのが7月のこと。
会員の徳原光治さんが
「観光客が減り打撃を受けている地元観光業のためになるし、改めて廿日市のよさを知ることができるのでは。」
と、会長の石野義之さんに提案。感染症対策など宿泊施設と打ち合わせを重ね、当日を迎えました。
今回の旅の参加者は、60代から最年長は86歳まで。
地元の味を堪能しながら、いつもより距離をとったビンゴゲームやオカリナの演奏などの余興に笑顔が広がります。
「先輩たちがお元気だと私の方が元気をもらえるんです。刺激を与えるんじゃなくて刺激をいただくって感じです。」
と、60代の女性は楽しそうな人生の先輩の姿に目を細めます。
ビンゴゲームの景品にはおしゃれなマスクも。
オカリナ演奏では「エーデルワイス」「もみじ」を披露。
四季が丘団地ができて以来、約30年にわたって活動を続けてきた寿会。
仕事をやめ、外出の減りがちな高齢者の居場所づくりだけでなく、独居の方の見守りという大切な役割を担っています。
「より多くの高齢者が地域で充実した日々を過ごせるよう会員を増やしていこう。」
「若手会員が会のためにできることはなんだろうか。」
と寿会のこれからをみんなで話し合う時間にもなりました。
大浴場でゆっくり体を休めます。
2日目は宮島水族館の見学へ。
新しくなってから初めて訪れたという方や、子どもが小さかった20年前に来て以来という方も。
瀬戸内の豊かな海は山から流れ出す栄養たっぷりの水で作られています。
県内上流域から里山までが再現された風景に見入ります。
広島の海の風景「かきいかだ」の海中の様子を観察。
「こっちにおいで~!」
瀬戸内のくじら、スナメリのかわいい姿に癒されます。
ファンサービスたっぷりのスナメリ。宮島水族館では長年スナメリの調査、研究、繁殖に取り組んでいます。
大人だけではなかなか訪れる機会のなかった人たちも、子どもにかえったような気持ちで瀬戸内の海の世界を楽しみました。
みやじマリン宮島水族館
廿日市市宮島町10-3
0829-44-2010
https://www.miyajima-aqua.jp/
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宮島の寺院の中でも最も歴史の深い、大聖院へ。
大聖院では座禅や念珠作りなど様々な体験ができますが、今回は写経体験に参加します。
体験前に副住職から功徳についての話を聞きます。
塗香を手に取り、塗り込んで身を清めます。
着座したら、墨をすりながら心を静めて。
「思いを込めて、一文字一文字丁寧に書くということが大切です。」
という副住職の言葉どおり、筆を運ぶ音さえ聞こえそうなほどしんと静まり返る中、雑念を払い、42文字の延命十句観音経と276文字の般若心経を書きなぞっていきます。
どちらも短文でありながら、集中して書いているといつの間にか時間が経っていました。
完成した写経はお寺に奉納されます。
清々しい気持ちで宮島の旅を締めくくりました。
宮島弥山大本山大聖院
廿日市市宮島町210
0829-44-0111
https://daisho-in.com/index.html
現地集合現地解散の旅は、それぞれが自分のやりたいことや予定に合わせて参加できるものでした。
弥山登山を楽しんでから宿に向かった人、翌日は予定があるため、ひと足早く家路についた人もいた近距離のメリットを活かした今回の旅。
夕食で親睦を深めながらも、水族館見学や写経体験は希望する人が参加するという、自由度が高く、かつ密をできるだけ回避した団体旅行が実現しました。
何より、再びみんなと顔を合わせ、楽しい時間を共有できた有意義な旅となりました。