株式会社WOODPRO

株式会社WOODPRO

― 多様な人材が働く企業紹介 ―

材料と人材をアップサイクル―株式会社WOODPROの挑戦

広島県廿日市市の中山間地域で、使い古された足場板に新しい命を吹き込む企業があります。株式会社WOODPROは、1999年から中古足場板のリサイクル事業に取り組み、年間約1,000トンもの廃材を原材料として家具や建材へとアップサイクルしています。この事業を支えているのが、2000年から活躍する地域のシニア世代:通称「ジイチャンズ」です。

「もったいない」から始まった挑戦

代表取締役の中本敬章(ひろあき)さん

先代社長の「もったいない」という想いから始まった同社の事業。1998年の水害で宮崎の主力工場が被災し、8名で事業を再建する際、経営的な理由から地元の高齢者を中心に採用しました。これが多様な働き方を推進するきっかけとなりました。

2001年の野焼き禁止の法改正を機に事業は拡大し、今では全国から使用済み足場板が集まります。高速道路や橋梁工事で使われた足場板も、その役目を終えた後、新たな製品に生まれ変わります。代表取締役の中本敬章さんは「錆びた釘跡や使い込まれた風合いこそが、唯一無二の魅力です」と語ります。

使われていた会社や用途によって様々な表情を見せるのが足場板の魅力
オーダーから既製品まで、様々な家具を全国から受注しています

2000年から支え続ける「ジイチャンズ」

2025年8月時点で、工場スタッフ58名のうち60歳以上が26名(45%)を占めます。最高齢は81歳。地域のハローワーク経由で採用した地元の方々が中心です。
「相互のコミュニケーションを尊重し、地元の高齢者を採用する方針です」と総務課長の新野真希江さん。一枚一枚の板を目視で選別し、手作業で洗浄・釘抜きを行う根気のいる作業を、ジイチャンズが一手に担っています。

2009年にはジイチャンズの写真集「ASHIBA Warm Hand」を東京デザイナーズウィークに合わせて制作。「材料だけでなく、人材もアップサイクル。経験や知恵を活かしています」と中本さんは語ります。

写真集「ASHIBA Warm Hand」。足場板の表紙には一つひとつにシリアルナンバーが刻まれています

長く安心して働ける仕組みづくり

従業員とは年に1度個人面談を実施。事業部リーダーや総務担当が日々声かけを行い、体調管理を第一に考えたサポートをしています。特に夏場は、熱中症対策を徹底し、安心して働ける環境づくりに努めています。
孫ほど年の離れた従業員が共に働き、夏には家族参加のバーベキュー大会を開催。4世代が集まることもあります。「雪予想の日は、みんな出勤がとても早いんです。ジイチャンズに鍛えられました」と新野さんは笑います。

根気のいる作業も頑張れる忍耐力、そして若い正社員の背中を押してくれる存在として、高齢者の働く姿勢が若手にも良い刺激を与えています
4世代が集まる夏のバーベキュー大会。退職後も個人的な交流が続くなど、良好な関係が築かれてます

課題と向き合いながら

一方で、70代半ばからの体力低下や労災リスクが懸念されます。「生産性が落ちても、最低賃金の改定で時給は上昇する。このジレンマと向き合っています」と中本さん。「従業員が『この会社に入ってよかった』と思える環境作りを最優先に、課題から逃げず一人ひとりに向き合っていきます」。材料と人材、両方をアップサイクルするWOODPROの挑戦は続きます。

取材日:2025年9月30日

株式会社WOODPRO

  • 設立年:1987年
  • 代表者名:中本敬章
  • 事業内容:木製品製造販売、杉足場板古材を利用した家具やエクステリア商品の製作販売
  • 所在地:広島県廿日市市峠245-33
  • URL:https://www.woodpro21.com/
  • お問い合わせ先:0829-74-3710