中本造林株式会社

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吉和から世界へ!林業の可能性を拓く-中本造林株式会社

中本造林株式会社 総務部部長
岡本 康男

1959年設立。「豊かなふるさと」を理念に廿日市市栗栖に本社を置き、山林経営、製材、木製品の製造・販売まで「一貫生産」の信念を貫く。発祥の地・吉和できのこ栽培、スキー場、温泉などのリゾート事業も担う。
1989年に第28回「農林水産祭天皇杯」受賞、「農林水産大臣賞」林業経営部門受賞。2006年に日本の生態系などに適した森林認証制度「緑の循環認証会議(SGEC)」認証取得。2019年、国際森林認証制度PEFC-CoC認証取得。
高品質で美しい国産杉の「杉板」や業界60%のトップシェアを占める「焼杉板」の販売が好調で、G7広島サミットの首脳会議用円卓、公共施設などにも納材。日本の豊富な森林資源の活用が注目されている今、ビジネスと社会課題の解決の両立に向けて邁進する姿を紹介する。

身近な施設に使われる中本造林の木材 ~100年先を見据えた森林経営~

中本造林という名はご存じなくても、エディオンピースウイング広島、おりづるタワー、JR廿日市駅駅舎、宮島口旅客ターミナル、etto宮島交流館など、皆さんよくご存じの身近な施設に私たちの木が使われています。
また、2023年(令和5年)5月に開催されたG7広島サミットで使用された首脳会議用円卓テーブルの材料は、弊社が納材したものになります。⁡

G7広島サミットの円卓には巾はぎ板を使用。


弊社の山林経営の始まりは、「日本三大美林」の秋田スギを祖先に持ち、吉和村八郎谷でみられる天然スギの一種「ハチロウスギ」を現社長の父、中本利夫氏が1949年(昭和24年)に植林。100年先の伐期を目指して計画的に“森を育てる”ことで、品質の良い丸太は自社の製材工場へ、間伐した製品向きではない木材はチップ加工してバイオマス発電所に燃料として供給しています。

ハチロウスギ。日照不足に強い、花や実をあまりつけない、成長期間が長く持続的に成長する、といった特性を持つ。

“作る・使うSDGs” 国内トップシェアを誇る中本の焼杉

名だたる住宅店舗用資材メーカーの中で、我々のような小さな規模でも勝負させて頂くには「信頼」が大事です。国産・高品質・高付加価値にこだわり、中でも大きなこだわりのひとつが「乾燥」です。無垢材は特に数か月かけて丁寧に自然乾燥させることで高品質な製品に。現在では珍しくなった昔ながらの「縦干し(たてぼし)」だと、風通しがよく、雨水でアクが流れます。すべてが人力で、職人は大変ですよ。
弊社は業界トップシェアを誇る「焼杉」を中心に様々な樹種を加工しています。日本の伝統技法を活かした「中本の焼杉」は、仕上げが美しくて高耐久だね、と各方面からお声をかけて頂いています。また、こうした丁寧な乾燥技術で作られた高耐久木材は、最近サウナ室でも注目されており需要も高まっていますね。

製材した板材は横木に立てかけて天然乾燥させる。

人と企業がともに成長し続ける会社でありたい

ノウハウも何も無いところから苦労を共にした家族のような働き手を大事にしてきた活気ある職場です。今日までの成長を見守って頂いた故郷に還元したい、という思いは常にあります。私は地元の高校から大学へ進学し、木の会社に入ったつもりが「女鹿平温泉めがひらスキー場」(1998年開業)の支配人を長らく務めていました、と話すと驚かれることもしばしば。今も地元の子がたくさん入社してくれています。
現社長の中本雅生はサッカーファンで、サッカーボール203個を廿日市市内の全小学校へ寄贈しました。「中本造林という名は知られなくてもいいから。」とボールに会社名を入れず、「木のまちはつかいち」と印したのは、子どもたちへの希望のメッセージ。木とは長くつきあうもの、そんなふうにじっくりと大きな強みをひとつ、ふたつ、と育てていって欲しいですね。

地域の仲間と歩むことで生まれる持続可能な森林経営。苗畑から商品販売までの一貫体制が評価され、林業経営部門で栄誉ある天皇杯を受賞。

未来に広がる新たな木材の可能性

林業は金にならない。国や地域の支えがなければ、次の世代の人も木を育てることは厳しいでしょう。今、植えた木は100年先にやっと製品になりますから、私たち自身は見届けることができません。翻せば、私たちが今使っている木材は、高度成長の中で推進された造林の恩恵を受けているわけです。
長らく危機と言われ続けているこの業界ですが、実は最近の採用活動で、若い人たちが「山の仕事をしたい!」と熱意をもってやってくるんです。背景には、世界中で脱炭素社会に向けた持続可能な木材利用に取り組む企業が増え、木造建築が増えて、日本でも宇宙での木材活用や、木くずを使った高機能プラスチックの開発も進んでおり、日本の豊富な森林資源の活用が注目されていることもあるのでしょう。
木は唯一、使い切って終わる資源ではなく、人が育てることのできる資源だからこそ、まだまだ木の可能性はあると思っています。ここから新しいものが生まれると嬉しいですね!

この美しい森を守り育み、地域の伝統や文化を伝承し、木と共に豊かな地球を創る。

取材日:2025年8月

中本造林株式会社

\ FMはつかいち × 今こそ廿日市 /

地域密着で新たな価値を届けるため、FMはつかいちと今こそ廿日市が連携し、SDGsを軸とした取材・発信が実現しました。この記事は、ラジオ番組「ECOしま専科」と連動しています。
「ECOしま専科」…
毎週火曜10時~、様々なゲストが公私においてSDGsの取り組みを語り、リスナーとともに持続可能な社会のためにできることを考え続けています。地球のこと、社会のこと、次の世代へ伝えたいことを語り合う〈SDGs+トーク番組〉。インタビュアーは藤井尚子さんです。