安田金属株式会社

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資源の循環で地域をつくる、「捨てない社会」への挑戦!-安田金属株式会社

安田金属株式会社 代表取締役社長
戸田 和雄 様

1949年「安田商店」創立。製鋼原料・製紙原料回収加工及び販売、産業廃棄物収集運搬、機密情報の安全処理など、リサイクル事業を通して地域社会や環境問題の解決に貢献。廿日市市木材港に本社、五日市港出荷ヤード、廿日市古紙プラザ、リサイクルプラザ等、廿日市市と広島市に拠点を構えている。2025年4月より新社長に就任した戸田氏にお話を伺った。

廃棄するのではなく、資源するという考え方動く

最近、家族でキャンプを楽しんでいます。自然の中で安らぐ気持ちと、あの美しい景観の中に不法投棄が後を絶たず、深刻な問題だと感じています。資源は消え、廃棄物は増え続け、約20年後には日本のごみの最終処分場は限界を迎えます。問題解決のために現状を知ることから始めて、子どもたちの未来のためにできることを考えながら行動したいですね。私たちは同業者の皆さんとともに広島県資源循環協会の事業の一環として、定期的に撤去回収のボランティア活動に取り組んでいますが、本当の解決策は、廃棄物すべてのリサイクルに挑戦するシステムづくりです。
創業来、資源再生に特化した事業を営んでおり、企業などから排出される「中古としての価値は無いが、資源としては価値があるもの」を、自社の設備にて選別・解体・加工といった資源再生のための中間処理を行います。処理後は原料メーカーに出荷、新たに資材として生まれ変わらせる「資源循環システム」のお手伝いをしています。事業活動がSDGsに直結しているという認識を持っています。

“使い終わり”から“使いはじめ”へ。資源再生の橋渡し。

安全な処理と資源化の2つので、サーキュラーエコノミー(循環型経済) の実現を支え

ビールやジュースで使用されるアルミ缶は「リサイクルの優等生」と呼ばれています。天然資源のボーキサイトからアルミ缶を製造した場合の電力を100としますと、アルミ缶からアルミ缶を製造した場合は3、つまり97%電気を削減できます。
鉄は鉄鉱石から石炭高炉で製造した場合のCO2排出量を100としますと、鉄スクラップから電気炉製造した場合は36、つまりCO2発生量を64%削減できます。 
パソコンのリサイクル率は、弊社の統計では約98%です。つまり古くなったパソコンを弊社にお持込み頂ければ、そのほとんどがリサイクルされます。セキュリティ完備の処理室で大切な情報を安全に処理しています。
「エコパーク (古紙などの無人回収所)」 は、設置数も会員登録者数も増えています。24 時間お持ち込み可能でポイントを貯めて「商品券」と交換できます。
町内会や子供会などの団体活動で集められた古紙やアルミ缶などの資源物は有価で引き受け、団体の運営費や、町内の防犯灯の設置、お祭りの費用の一部に活用されていると伺っています。また、NPO法人や福祉会と連携して有価資源の買い取りや作業の一部を発注し、経済活動と社会活動をつなげています。「はつかいち環境フェスタ」に出展し、年に1度のこの出張回収にあわせて新聞・雑誌などをお持ち込みになられる方もおられます。
地域の皆さまにリサイクルのための 「ひと手間」のご協力をお願いしていますので、利益を出して社員の暮らしを守ることと同じくらいに地域に還元することが大事であると考え、「三方よし」の心得で、廿日市市の文化活動支援や学校図書の寄付などのCSR活動を続けています。

安田金属での取扱品目の一例
エコパークが支える三方よしのまちづくり。回収するのは“資源”と“地域の想い”。

地元就職たいという魅力ある企業

廿日市市とのご縁は、創業者である先々代が終戦直後の昭和20年、広島市に原爆が投下された1週間後に廿日市市へ移住。圧倒的な物資不足の中、現金商売の金属スクラップに着目し、回収業を始めました。軍の訓練所があった江田島に船で渡り、使用済みのカラの薬きょうを入手してハンマーで加工処理を行うなど原料問屋への納入業も行い、さらに設備投資を重ねて、資源を受け入れる側の問屋業へと事業展開をはかり、現在にいたります。
若い力、新しいアイデア、未来を切り開く開拓者精神が常に我が社を支えています。
企業は、これからの時代に合った働き方を用意することが大事だと考えています。例えば、介護や家庭の事情で働く日数や時間帯に制限がある求職者向けに、出勤時間が自由に設定できるお仕事の提供を始めました。育児や学校行事に参加するための有給休暇取得制度も始め、本当の意味での「働き方改革」にチャレンジしています。
社員の多能工(マルチスキル) 化も必要ですね。これから弊社の宝となって頂く「若い職人」を育てるために、会社の制度を利用してもらって資格の取得や5年、10年かけて経験を積む時間を作っています。何より大事にしているのは、「困った時はお互い様」といった、社内文化の形成です。
コツコツと真面目にやっている人に陽のあたる職場だと思います。私は23歳の時に、パートで安田金属に就職しました。会社で必要な資格はすべて、会社の育成制度を利用して取得させて頂きました。18年間を経て社長に就任し、周りに認めてもらえたという嬉しい気持ちと、若い社員たちからは「夢のある職場ですね!」と励まされることもあります。前社長である安田秀吉会長からそっとかけて頂いた言葉は数多ありますが、忘れることはありません。社長業は大変だと毎日感じています。まだ41歳、勉強を怠らず、もっとがんばらなきゃなと。

未来を担う子どもたちへ。教育支援への取り組みに対し廿日市市よりいただいた感謝状。

新しい視点で未来に循環をつなげる

プラスチックから紙材料へ、紙媒体からペーパーレスといった例のとおり、再生可能な廃棄物の発生量は減少傾向にあります。また、環境の変化に対応した法改正や排出事業者様からのご要望など、弊社に求められる期待は年々上がってきています。適正な処理で、廃棄物は「資源」となり、地域特性を生かした資源循環が推進される中、事業収益を上げる新たなビジネスチャンスをこの1、2年考え続けています。時代の流れにあわせて事業の意義を再発見するきっかけを頂いて、限りある資源を未来へつないでいくという、新時代への挑戦が始まったと感じています。

変わりゆく時代の中で、変わらない志を胸に。資源循環の可能性を語る戸田社長。

取材日:2025年8月

安田金属株式会社

\ FMはつかいち × 今こそ廿日市 /

地域密着で新たな価値を届けるため、FMはつかいちと今こそ廿日市が連携し、SDGsを軸とした取材・発信が実現しました。この記事は、ラジオ番組「ECOしま専科」と連動しています。
「ECOしま専科」…
毎週火曜10時~、様々なゲストが公私においてSDGsの取り組みを語り、リスナーとともに持続可能な社会のためにできることを考え続けています。地球のこと、社会のこと、次の世代へ伝えたいことを語り合う〈SDGs+トーク番組〉。インタビュアーは藤井尚子さんです。