ハローワーク廿日市

仕事と育児両立のための支援拠点『マザーズコーナー』

少子高齢化がこのまま進むと、若い労働力は減少しつづけます。そこで今、人材不足解消のカギといわれているのが「子育て世代」です。出産で一度は離職したものの社会人経験のあるママたちは貴重な人材。ハローワーク廿日市は『マザーズコーナー』を開設し、子育てしながら働きたいというママたちの就職をサポートしています。子どもの預け先やブランクへの不安に寄り添い、仕事と育児の両立に関する相談会やセミナー、子育て支援制度の紹介など、サポート内容は求人案内にとどまりません。子育て世代は10年後には大きな戦力として見込めるだけでなく、「人を大切にする会社」というイメージの向上につながるなど企業にとってメリットも多く、先進的な企業ではすでに多くの子育て世代が最前線で活躍しています。

職業体験から定着まで障がい者の就労をサポート

障がい者福祉に重点を置く廿日市市では、就労の支援にも力を入れています。「働きたい」という本人の意欲を大切にしながら、それぞれの障がいの特性に合う仕事を探していきます。求人企業から仕事内容を細かく聞き取り、受け入れ可能となれば企業訪問をおこない職場体験をしてもらいます。その人の特性を知ることの重要性を企業にも理解してもらい、本人も企業もおたがいに不安なく働くことができると判断したうえで就職。入社後も企業と障がい者の間に入って定期的な面談をおこない、問題が起きれば話し合いで解決に導くなど、継続的な支援で定着に向けて伴走します。

職業訓練で新たなスキルを習得し即戦力人材に

パソコン系、ものづくり系、介護系などの技能を習得できる職業訓練は、新たな技能・知識を習得して就職に活かしたい方やブランクが長くて不安という方に案内をしています。受講料無料で給付金も受けることができ、介護や子育て中の方等はeラーニングでも受講可能です。
新たなスキルを身に付けることで自信にもつながり、実務経験１年以上が必要とされている企業でも応募可能なケースも増えてきました。ハローワークでは求職者の希望に合う職業訓練の案内や、受講後に希望業種の求人を紹介しており、入社後は即戦力として期待できることから企業にとってもメリットのある制度です。

職員による企業訪問レポートでリアルな情報を発信

就職はゴールではなくスタートです。ハローワーク廿日市では、入社した後でミスマッチに気付くことのないよう、求職者と企業の意向をしっかりと聞き取り、各部署が連携をとりながらマッチングをしています。職員が実際に企業を訪問して書いたレポート『行ってきたシリーズ』は、求人票では分からない社内の雰囲気まで感じられると掲示板の人気コーナーとなっています。
多様な人材の活用にハードルを感じる企業もまだありますが、実践している企業ではすでに会社に利益と活力をもたらす「人財」へと成長しています。そのような企業がもっと増えるよう、求職者と企業の橋渡しとなって意識の変革を促していきたいと思います。

取材日：2025年1月16日