社会福祉法人くさのみ福祉会
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保護者の願いから40年。子育て世代もシニアも“必要とされる”職場づくり

廿日市市を拠点に、障がいのある人や子ども、その家族の暮らしを支える社会福祉法人くさのみ福祉会。多機能型事業所ピクトハウスの管理者・サービス管理責任者を務める千頭(ちかみ)和彦さんに、子育て世代やシニアが長く働ける職場づくりの工夫と、これからの展望についてお話を伺いました。


母親たちの願いから始まった40年。地域とともに歩む福祉の拠点
約40年前、養護学校(現在の特別支援学校)を卒業した後の進路は、在宅か市外の施設に限られていました。「わが子が地元で働ける場をつくりたい」。そんな母親たちの願いに学校の先生や地域住民、行政が共感し、1986年に「くさのみ作業所」が誕生しました。
現在は障がいのある人の通所事業をはじめ、グループホームやショートステイ、相談支援、児童発達支援まで幅広く展開。職員数は200人を超え、利用者は約500人に広がりました。地域の祭りへの参加や中学生の実習受け入れなど、地域との交流も大切にしています。



午前・午後の4時間勤務で、子育て世代のスタッフが増加
以前は6時間以上のパート募集が中心でしたが、午前または午後の4時間勤務を導入したことで、子どもの帰宅時間に合わせて働きたい30〜40代の応募が増えました。子どもの急な発熱や学校行事での休みも、グループLINEで気軽に連絡できる「言いやすい風土」を大切にし、欠員が出た日は正規職員が部署を越えてサポートしています。
正規職員には、子どもが3歳になるまでの時短勤務や時間外・休日勤務の免除制度があり、男性職員の育休取得実績も。子育て世代のスタッフを将来の中核人材として正規職員に登用する「内部登用」の仕組みも整えています。



“口伝”からマニュアルへ。20代から70代が強みを発揮する職場
かつて先輩からの口伝に頼っていた業務を、時間帯ごとの担当がわかるマニュアルに整理。新人職員は複数の作業グループを体験しながら仕事を覚え、入職直後や1か月後の声かけで困りごとを吸い上げて全体で共有しています。こうした取り組みが定着率の向上につながりました。


面談は正規職員と年3回、パートスタッフとも年1回実施。グループホームの朝夕の短時間支援や調理ではシニア層が家事経験を生かし、70代の職員も週1〜2日のペースで活躍しています。「必要とされている実感が、働き続ける力になっています」と千頭さんは話します。

40年守ってきた理念を土台に、100年続く法人へ
「今通用していることが、5年後、10年後も通用するとは限りません」と千頭さん。福祉向けIT機器の展示会の視察や外国人雇用の情報収集など、先を見据えた準備を進めています。一方で、気持ちを汲み取り、ともに取り組む対人支援の核は、これからも人が担うと考えています。
「誰もが幸せに暮せる社会の実現」という理念のもと、50年、100年と事業が続く土台づくりへ。くさのみ福祉会の挑戦はこれからも続きます。

取材日:2026年8月5日
社会福祉法人くさのみ福祉会
- 設立年:1994年(くさのみ作業所開所:1986年)
- 代表者名:理事長 駒坂 敦
- 事業内容:障がい者の通所事業(生活介護・就労継続支援B型)、グループホーム・ショートステイ、相談支援、児童発達支援など
- 所在地:本部 広島県廿日市市串戸二丁目16-17 くさのみ串戸ビル
- URL:https://kusanomi.org/
- お問い合わせ先:0829-30-9303
