医療法人ハートフル

― 多様な人材が働く企業紹介 ―

様々な職種、年代の職員でプロジェクトを立ち上げ、
今ここで働く人たちが本当に助かる制度を立案

あまのクリニック、アマノリハビリテーション病院など、医療・介護・障がい福祉の分野で14の事業所を運営する医療法人ハートフル。LaLa事業部(障がい福祉・保育事業)部長の立花英美(たちばな ひでみ)さんと、診療協力部 診療放射線技師 課長の外川雅士(そとがわ まさし)さんに、職員による「多様な働き方改革プロジェクト」で独自の制度づくりを実現した経緯についてお伺いしました。

職員のための保育園から地域へ貢献する施設に発展

法人内の14の事業所で働く約500名のうち半数を超える女性職員が、医療・介護・障がい福祉の現場で日々活躍しています。子育て世代が多いこともあり、1996年には職員の子どもを預かる院内保育園を開設。入園希望が25名の定員を超えるようになったため、2019年に企業主導型保育事業「あまの保育園」を「あまのコミュニティーケアプラザLaLa」内にオープン。職員の子どもと地域の子ども(0歳~3歳)を対象とし、夜勤職員のための24時間保育や病後児保育も行っています。

小学生になってからもつづく子育てとの両立サポート

子育て世代の多くが直面する「小1の壁」への対策も導入しました。3歳までだった時短勤務を、小学校入学前後(3月~8月)の半年も追加し、入学準備や生活の変化に慣れていきやすいよう配慮。授業参観や通院時に1時間単位で利用できる時間単位有給休暇は、職員にはもちろん、管理職も人員が確保しやすいというメリットがあります。大雨、洪水などの警報で臨時休校となったときには学童保育を実施。施設内に子どもを集めて、児童相談員の資格を持つ職員らといっしょに宿題や遊びの時間を過ごしました。(学童保育は2025年3月末で一旦休止)

職員の声に応える制度を職員たち自らが考える

この改革を推進したのは、様々な職種と年代のメンバーで構成された「多様な働き方改革プロジェクト」です。2017年に立ち上げられたプロジェクトでは、まず全職員からアンケートを取り、働く上での不安や悩みを洗い出しました。そこで、子育てとの両立に関する悩みが圧倒的に多いことが判明。職員の希望を尊重しながら、業務に支障をきたさないよう管理職とも調整を重ねて制度を検討。ライフステージに応じた働きやすさを叶える4つの制度を実施に導きました。
プロジェクト発足のきっかけは、不定期な通院のために退職を考えていた職員からの相談でした。本人もできれば仕事をつづけたい、会社も大切な人材を失いたくない、という思いがスタートでした。同じように悩んでいる職員はたくさんいるはず、と始まったプロジェクトは、“ここで働く人が必要とする制度”づくりを実現。人材不足が深刻な医療業界で、この制度を利用したいという求職者も増えています。職員による、職員のための改革。そこには、これからの働き方を変えるヒントがたくさん詰まっています。

取材日:2025年1月17日

医療法人ハートフル

  • 設立年:1993年(アマノ病院 開設)
  • 代表者名:福田 純子
  • 事業内容:医療事業、介護・医療サービス事業、障がい福祉事業、高齢者住宅事業、保育事業
  • 所在地:広島県廿日市市陽光台5丁目9番地
  • URL:https://www.amano-reha.com
  • お問い合わせ先:0829-37-0800