有限会社日基リース

― 多様な人材が働く企業紹介 ―

丁寧な仕事ぶりがリネンサプライ事業にフィット
将来的にはB型事業所への参入が夢

広島を中心に中国エリアでリネンサプライ事業を展開する日基リース。執行取締役 総務部部長の矢田慶一(やだ けいいち)さんは、社員の雇用と支援施設への業務委託で、積極的に障がい者の活用を推進してこられました。新工場建設を控えて、さらに増員を予定している障がい者雇用について今後の展望を伺いました。

障がい者の活躍の場が多いリネンサプライ事業

日基リースは主に病院向け貸し布おむつの会社として創業し、現在は少子高齢化で需要が増えている福祉施設、病院、ホテルなどで使ってもらった寝具、シーツ、タオル類を洗濯してレンタルするリネンサプライ事業で、「清潔で健康的な生活環境づくりへの貢献」をめざしています。
本社のある廿日市配送センターと加計工場(安芸太田町)、金城工場(島根県浜田市)で約140名が働いており、6名の障がい者もいっしょに物流や洗濯業務を担っています。加計と金城の工場では、洗い終わった洗濯物を畳む作業を障がい者支援施設にも委託しています。仕上がりが美しく、納期も正確なため、今後さらに増やしていく計画です。このように弊社をはじめリネンサプライ事業は障がい者が活躍しやすい分野といわれています。

1年前から職場体験を重ねてスムーズな入社へ

障がい者の採用にはハローワークへの求人と併せて、特別支援学校を訪問して卒業生の就職斡旋をお願いしています。入社の1年前から保護者の方も含めた説明会をおこない、職場体験として何度か実際の作業をやってみて、どのような仕事が合っているか確かめながら、職場に慣れてもらうことでスムーズに入社できるよう進めていきます。
当社に在籍しているのは主に知的障がいの方で、仕事ぶりも真面目でとても丁寧ですし、会社としては感謝しかありません。課題はいかに継続していただけるか。障がいの有無に関係なく全員正社員として雇用し、賃金体系の改善や定期的な昇給によって長く働いていただけるよう取り組んでいます。

心身ともに安心して働ける環境づくりのために

これまですべてが順調だったわけではありません。以前、仕事ぶりも真面目でとても優秀な方にステップアップをしてもらおうと後輩の指導をお願いしたところ、やりがいよりも不安が積み重なり、「会社に来たくない」と打ち明けられたことがありました。障がいのことを理解しているつもりでしたが、もっと一人ひとりの特性を把握し、日々の変化にも目を配らなくてはいけないことを改めて学びました。
何かのきっかけで心の不調につながってしまうのは誰でも起こりうることです。障がい者の場合はハローワークや支援施設のバックアップがありますが、メンタルヘルス対策は企業の責任として取り組むべきことです。今後はもっと多くの障がい者の方が安心して働けるよう環境と制度を整備し、将来的には就労継続支援B型事業所を設置し、安定的な雇用につなげたいというのが私たちの夢です。

取材日:2025年2月13日

有限会社日基リース

  • 設立年:1973年
  • 代表者名:大野 博之
  • 事業内容:総合リネンサプライ業・クリーニング・紙オムツ等商品販売
  • 所在地:広島県廿日市市串戸1丁目6番2号
  • URL:http://nikki-lease.co.jp
  • お問い合わせ先:0829-31-2201